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【2024】ACFフィルムって何?PFA・FEPフィルムとの違いを解説【光造形3Dプリンター】

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こんにちは、管理人のウノケンです。

今回は、

話題の光造形3Dプリンター用フィルム「ACFフィルム」について解説

していきます。

これまで、フィルムには

  • FEPフィルム
  • PFAフィルム

が一般的に使用されていました。

そこに登場した「ACFフィルム」。何やら高速な3Dプリントを実現するために欠かせないフィルムとのこと。

「『ACFフィルム』ってどんなフィルム?」

「『FEP』や『PFA』と何が違うの?」

「『ACFフィルム』の販売状況は?」

という方のために、情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

Age of 3DPアイコン画像
管理人:ウノケン
この記事を書いているのはどんな人?
  • 3Dプリンター関連メーカー勤務経験
  • 3Dプリンター特許出願経験
  • 3Dプリンター29機種・3Dスキャナー6機種の使用経験
  • 3Dプリント品販売点数1,000個以上
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それでは見ていきましょう!



光造形3Dプリンターにおける「フィルム」の役割とは?

光造形3Dプリンターのレジンを注入するレジンバット(レジンタンク)の底部分に取り付けられている「フィルム」。

LCD(液晶ディスプレイ)等からレジンを硬化させるための紫外光を透過させつつ、未硬化レジンの保持・硬化レジンのスムーズな剥離を実現する重要な役割を担っています。

上記の役割を担うフィルムは、主に以下の性質をもつことが求められます。

  • 高い紫外光透過性
  • 硬化したレジンの剥がれやすさ
  • 長い寿命

このような特性をもつフィルムとして、現状、後述する3種類のフィルムが使用されています。それぞれどのような特徴をもつのか確認していきましょう。

ACF・PFA(nFEP)・FEPフィルムの特徴

光造形3Dプリンターに使用される主なフィルムは以下の3種類です。

  • FEPフィルム(Fluorinated Ethylene Propylene Film)
  • PFAフィルム(Perfluoroalkoxy Film)
  • ACFフィルム(Advanced Composite Film)

「PFA」は"non-FEP"を示す「nFEP」と表記されることもあります。

それぞれのフィルムの特徴について確認していきましょう。

FEPフィルム(Fluorinated Ethylene Propylene Film)

FEPフィルムは、家庭用光造形3Dプリンターのフィルムとして最も一般的で、古くから使用されているフィルムです。

コモディティ化していることもあり、後述する2種のフィルムに比べて、価格はリーズナブルです。

PFA(nFEP)フィルム(Perfluoroalkoxy Film)

PFE(nFEP)フィルムは、家庭用としてはFEPフィルムよりも後発のフィルム。

FEPフィルムよりも剥離性が高く、寿命(使用できる回数)も長いとされています。(出典:Amazon

名称としては、「nFEP(non-FEP)」や「FEP2.0」といった表記がなされることもあります。一般的なFEPフィルムに対して、異なる種類・次世代製品といった印象を与える表現ですね。

FEPフィルムに比べると、価格は若干上がります。例えば、同じ「ELEGOO『Saturn』『Saturn S』用の5枚入りフィルム」のAmazon価格は以下の通りです。

FEPフィルムPFAフィルム
価格3,799円4,299円

ACFフィルム(Advanced Composite Film)

Mars 4 Ultra」のレジンバット底部に張られている「ACFフィルム」。「FEPフィルム」と違い、半透明に見えるのが特徴。

ACFフィルムは、今回紹介する3つのフィルムのうち、最も後発の新しいフィルムです。

以下の画像は、ACFフィルムと上記の2フィルムの違いをわかりやすく示しています。

出典:Amazon

この画像は、プラットフォームと硬化済みのレジン(黄色)、剥離直後のフィルムの様子を示しています。ACF < nFEP(PFA)< FEPの順でフィルムのたわみが小さい様子が見て取れます。つまり、

ACF > nFEP(PFA)> FEPの順に剥離性が高い

ことを示しています。これにより、ACFフィルムは

  • 高いプリント成功率
  • 高速プリント
  • 長寿命

を実現するフィルムとして注目が集まっているのです。

その高い性能と、現状の流通量の少なさから、価格はPFAよりもさらに高価です。例えば、以下のchitu systemsが扱うACFフィルムは、さきほど紹介したFEP、PFAの種の例と同等サイズ(290×210mm)のフィルム「1枚」で4,999円。FEPやPFAの約5倍の価格となっています。

高性能・長寿命とはいえ、頻繁には使用しづらい価格帯。今後一般的な製品となり、価格が落ち着いていくことに期待したいですね。

最新の3Dプリンターには、「ACFフィルム」が採用されている機種も登場しています。その1つである「Mars 4 Ultra」に関するレビュー記事では、「ACFフィルム」の使用感についても記載していますので、ぜひご覧ください。



光造形3Dプリンターにはどのフィルムを使うべき?

今回登場した3種のフィルム。一体どれを使用するべきなのでしょうか?状況に応じた選択のポイントについて解説していきます。

コスパ重視なら(FEPではなく)PFAフィルム

コスパを重視したい方は、もっとも安い「FEPフィルム」、ではなく「PFAフィルム」を選ぶと良いでしょう。

というのも、

  • 「FEPフィルム」と「PFAフィルム」の価格差は大きくない
  • 「FEPフィルム」よりも「PFAフィルム」の方が寿命が長い

ことから、「PFAフィルム」を選んだほうがランニングコストは低く抑えることができるのです。

「PFAフィルム」の寿命は「FEPフィルム」の1.5倍(出典:Amazon)とも言われており、計算上、「FEPフィルム」を3回使用する間に消費される「PFAフィルム」は2枚で済んでしまうのです。

ELEGOOのような光造形3Dプリンターブランドは、消耗品として販売するフィルムを「FEPフィルム」から「PFAフィルム」に切り替えていく傾向にあります。この現状において、あえて「FEPフィルム」を選ぶ理由はほとんどないでしょう。

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