こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、PolymakerのFDM3Dプリンター用フィラメントについて解説していきます。
Polymakerのフィラメント全種類を列挙し、それらの特徴について簡単に記載していきます。
最新情報も随時アップデートしていきます!
それでは見ていきましょう!
Polymakerフィラメント一覧
Polymakerのフィラメントは、以下のラインナップに大別されます。ラインナップはPLAやPETGといった材質ごとに分かれているわけではありません。例えば、同じPLAでも、「PolyLite PLA」や「PolyMax PLA」などが存在しています。
各ラインナップ・フィラメントの違いについては個別の解説をご覧ください。なお、解説はPolymaker公式ページを参考にしています。
PolyLite
はじめに紹介するのは、「PolyLite」シリーズです。
「PolyLite」は、3Dプリンターで使用されるもっとも一般的な材料を取りそろえたラインナップです。実用性や造形精度を求める用途というよりは、低コストでデザインやプロトタイピングを行う用途に適しています。
PolyLite™ covers the most popular 3D printing materials to meet your everyday needs in design and prototyping.
Polymaker「PolyLite」
「PolyLite」シリーズのフィラメントを一覧で確認しておきましょう。
フィラメント名 | PolyLite PLA | PolyLite PLA-CF | PolyLite ABS | PolyLite PETG | PolyLite PC | PolyLite ASA |
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イメージ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
メーカー | Polymaker | Polymaker | Polymaker | Polymaker | Polymaker | Polymaker |
色 | ■Black ■White ■Grey ■Red ■Blue ■Green ■Yellow ■Orange ■Teal ■Purple ■Natural | ■Black | ■Black ■White ■Grey ■Red ■Blue ■Green ■Yellow ■Orange ■Teal ■Purple | ■Black ■White ■Grey ■Red ■Blue ■Green ■Yellow ■Orange ■Teal ■Purple □Transparent | □Transparent | ■Black ■White ■Grey ■Red ■Blue |
ヒートベッド温度[℃] | 25-60 | 30-60 | 90-100 | 70-80 | 90-105 | 75-95 |
エクストルーダ温度[℃] | 190-230 | 190-220 | 245-265 | 230-240 | 250-270 | 240-260 |
推奨プリントスピード[mm/s] | 40-60 | 30-70 | 30-50 | 30-50 | 30-50 | 30-50 |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
一般購入しやすいフィラメントとして、Amazonで購入できる種類・色を中心に記載。時期によって購入できる種類・色が異なる場合もあるため注意。
各フィラメントについて簡単に解説していきます。
PolyLite PLA
「PolyLite PLA」はPolyLiteシリーズのPLAフィラメントです。
「PLA(ポリ乳酸、Polylactic acid)」は、もっとも広く使用されているフィラメントの1つです。生分解性プラスチックの1種で、トウモロコシなどの植物を原料として生産されることから、環境にやさしいフィラメントとされています。
PLAのメリットは以下の通りです。
- 低価格
- ABSよりも変形しにくく、プリント品質が高い
- 生分解性プラスチックのため、環境にやさしい
扱いやすく、コスパも高いことから、初心者にも人気のスタンダードなフィラメントです。
一方、熱や衝撃への耐性はいまひとつです。機械的特性に際立った特徴を求めるのであれば、後述する他のフィラメントを検討しましょう。
PolyLite PLA-CF
「PolyLite PLA-CF」は、カーボンファイバーで強化された高品質PLAです。
なめらかでマットな表面が特徴的で、実用的なアプリケーションに適しています。
PolyLite ABS
「PolyLite ABS」はPolyLiteシリーズのABSフィラメントです。
「ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)」は汎用性の高いプラスチック材料で、私たちの日常で使われるあらゆるモノの原料となっています。
3DプリンターのフィラメントとしてもPLAと並んで広く使用されており、低コストながら機械的特性に優れています。頑丈さや耐熱性が要求されるような実用品のプリントに適したフィラメントと言えるでしょう。
難点は、PLAに比べて反りが発生しやすいところです。場合によってはエンクロージャ(3Dプリンターの周囲を覆うもの)を使って保温する必要があります。
PolyLite PETG
「PolyLite PETG」はPolyLiteシリーズのPETGフィラメントです。
「PETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、Glycol modified polyethylene terephthalate)」もユーザの多いフィラメントの1つです。
「PETG」の「PET」はペットボトルでおなじみのポリエチレンテレフタレートのことです。「G」がつく「PETG」はその派生で、より3Dプリントに適した特性をもっています。
ABSと同様に機械的特性に優れ、耐熱性も高いです。そのうえ収縮や反りも少なく、PLAとABSの両方の利点をもつと表現しているブランドもあるほどです(出典:Creality)。
難点は糸引きが生じやすい点です。フィラメントドライヤーを使うなどして、しっかり湿度対策をする必要があります。
PolyLite PC
「PolyLite PC」はPolyLiteシリーズのPCフィラメントです。
「PC(ポリカーボネート、Polycarbonate)」も、耐衝撃性や耐熱性に優れた材料としてさまざまな身の回り品に使用されています。透明度が高いところも特徴的で、カメラ用のプラスチックレンズなどにも使用されています。
実用性の高いPCフィラメントですが、3Dプリントにあたっては難易度の高い材料として知られています。温度やプリントスピードの設定がシビアで、中級者向けの材料と言って良いでしょう。
使いこなすことができれば非常に有用な材料なので、3Dプリンターを用いた実用品の作成に興味がある方にはぜひ挑戦してほしいフィラメントです。
PolyLite ASA
「PolyLite ASA」はPolyLiteシリーズのASAフィラメントです。
「ASA(アクリロニトリル-スチレン-アクリレート、Acrylonitrile-Styrene-Acrylate)」は、ABSの親戚のような材料です。
ブタジエンの代わりにアクリレートが含まれており、ABSに比べて耐候性が高いという特徴があります。そのため、屋外で使用されるモノを作る際にはABSよりもASAを使用すると良いでしょう。
PolyMax
次に紹介するのは、「PolyMax」シリーズです。
「PolyMax」は、より高品質なフィラメントのラインナップです。優れた機械的特性と造形品質を求める場合に使用すると良いでしょう。
PolyMax™ is a family of advanced 3D printing filaments produced with Polymaker’s Nano-reinforcement technology, to deliver exceptional mechanical properties and printing quality.
Polymaker「PolyMax」
「PolyMax」シリーズのフィラメントを一覧で確認しておきましょう。
フィラメント名 | PolyMax PLA | PolyMax PETG | PolyMax PC | PolyMax PC-FR |
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イメージ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
メーカー | Polymaker | Polymaker | Polymaker | Polymaker |
色 | ■Black ■White ■Grey ■Red ■Blue ■Green ■Yellow ■Orange ■Teal ■Purple | ■Black ■White | ■Black ■White | ■Black ■White |
ヒートベッド温度[℃] | 25-60 | 70-80 | 90-105 | 90-105 |
エクストルーダ温度[℃] | 190-230 | 230-240 | 250-270 | 250-270 |
推奨プリントスピード[mm/s] | 40-60 | 30-50 | 30-50 | 30-50 |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
一般購入しやすいフィラメントとして、Amazonで購入できる種類・色を中心に記載。時期によって購入できる種類・色が異なる場合もあるため注意。
「PolyLite」シリーズと同じ材質のフィラメントが多数存在していることがわかるかと思います。違いとなるポイントは以下で紹介しますが、1対1でスペック比較したい場合は比較ツールを使ってみてください。
それでは各フィラメントについて簡単に解説していきます。
PolyMax PLA
「PolyMax PLA」は、PolyMaxシリーズのPLAです。
「PolyLite PLA」に対して約5倍の衝撃強さをもち、その優れた機械的特性はABSの代替も可能とされています。(出典:Polymaker「PolyMax PLA」)
PolyMax PETG
「PolyMax PETG」は、PolyMaxシリーズのPETGです。
「PolyMax PETG」は機械的特性に優れ、幅広い用途に適しています。曲げ強度や衝撃強さといった特性は基本的に「PolyLite PETG」を上回っています。
PolyMax PC
「PolyMax PC」はPolyMaxシリーズのPCフィラメントです。
強度や靭性、耐熱性に優れた高品質なPCで、衝撃強さは「PolyLite PC」の7倍以上となっています。
PolyMax PC-FR
「PolyMax PC-FR」は、難燃性の高いPCフィラメントです。
難燃性規格のUL94において、もっとも燃焼しにくいV0の性能を達成しています。(出典:Polymaker「PolyMax PC-FR」)
PolyFlex
次に紹介するのは、「PolyFlex」シリーズです。
「PolyFlex」は、高品質な軟性フィラメントのラインナップです。高い柔軟性と耐久性が求められるアプリケーションへの使用が想定されています。
PolyFlex™ is a family of high-quality flexible materials. It provides the perfect solution for applications where high flexibility and durability are required.
Polymaker「PolyFlex」
「PolyFlex」シリーズのフィラメントを一覧で確認しておきましょう。
フィラメント名 | PolyFlex TPU90 | PolyFlex TPU95 | PolyFlex TPU95-HF |
---|---|---|---|
イメージ | ![]() | ![]() | ![]() |
メーカー | Polymaker | Polymaker | Polymaker |
色 | ■Black ■White ■Grey ■Teal | ■Black ■White ■Red ■Blue ■Yellow ■Orange | ■Black ■White |
ヒートベッド温度[℃] | 25-60 | 25-60 | 25-50 |
エクストルーダ温度[℃] | 210-230 | 210-230 | 200-220 |
推奨プリントスピード[mm/s] | 30-60 | 20-40 | 40-100 |
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
一般購入しやすいフィラメントとして、Amazonで購入できる種類・色を中心に記載。時期によって購入できる種類・色が異なる場合もあるため注意。
各フィラメントについて簡単に解説していきます。
PolyFlex TPU90
「PolyFlex TPU90」は、PolyFlexシリーズのTPUフィラメントの1つです。
「TPU(熱可塑性ポリウレタン、Thermoplastic Polyurethane)」は、その弾力性に特徴のある素材です。スマホケースに使用されることが多く、なじみのある方もいることでしょう。
「PLA」「ABS」「PETG」のような、比較的硬い材料とは異なるゴムのような柔らかさが特徴で、耐摩耗性や耐衝撃性、柔軟性に優れた材料です。素材の性質が大きく異なるため、TPUを使いこなせるようになると3Dプリントの幅が大きく広がります。
難点は造形の難しさです。素材自体が柔らかいために、造形時に歪みが生じたり、ノズル詰まりが発生したりすることもしばしばです。プリントスピードの調整をするなどして適切なパラメータを見つける必要がある、中級者向けのフィラメントと言えるでしょう。
ちなみに、「90」という数値はショア硬度を表しています。
PolyFlex TPU95
「PolyFlex TPU95」も、PolyFlexシリーズTPUフィラメントの1つです。
ショア硬度95Aの「PolyFlex TPU95」は、元の長さの3倍以上伸ばすことができる柔らかさも兼ね備えています。