こんにちは、管理人のウノケンです。
2025年1月に開催された「CES 2025」にて、家庭用3Dプリンター業界の有名企業Crealityが、同社2台目となるマルチカラー3Dプリンター「Hi Combo」を発表しました。
「Hi Combo」は、最大16色の多色造形が可能なCFS(Creality Filament System)を活用した最新の3Dプリンター。
組み立ての手軽さや高精度のオートレベリング、多彩なフィラメント管理機能など、多方面でユーザーをサポートする機能が満載です。
本記事では、そんなCreality Hi Comboの魅力を大きく3つの観点からご紹介。
さらに、気になる
についても解説していきます。
それでは見ていきましょう!
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マルチカラーシステム「CFS」が実現する多色造形の可能性
ここでは、Creality Hi Comboの目玉機能ともいえるCFSの概要と、実際にどのように多色造形を支えているのかを解説します。
また、RFIDフィラメントの利便性やサポート専用材料の活用など、色だけでなく多材料・多機能を活かしたプリントの魅力にも触れていきます。
CFSで最大16色の3Dプリントが可能
CFS(Creality Filament System)は、1ユニットで4種類のフィラメントを管理できるシステムです。
Creality Hi Comboに最大4台までCFSを接続することで、最大16色のフィラメントを切り替えながら印刷することが可能になります。たとえば多色のキャラクターフィギュアや、文字やロゴを色分けした部品など、従来では塗装や組み立てが必要だった表現をプリント段階から仕上げられる点が最大の魅力です。
さらに、CFS本体にはフィラメントの湿気対策やスプールの飛び出し防止など、細かな機能が数多く搭載されています。乾燥材と密閉性の高い設計でフィラメントを良好な状態に保ち、プリント失敗のリスクを軽減しながらスムーズな多色造形が実現できるのです。
RFID対応フィラメントで材料をスマート管理
Creality Hi ComboはRFIDフィラメントを読み取る機能を備えており、CFSと連携してフィラメント情報を自動認識・管理することができます。
たとえば、カラーや素材情報を認識してくれるので、間違ったフィラメントを使ってしまうリスクを低減できます。さらに、フィラメント情報がスライスソフトと同期されるため、設定ミスも未然に防ぎやすいのが特徴。
複数のフィラメントを使い分ける多色造形や多材料造形でも、安心・効率的に運用できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
サポート専用材料を併用して後処理を大幅に簡略化
多色造形だけでなく、CFSを活用すればサポート材を異なる素材にすることで、サポート除去を簡単に行うことができます。
たとえば、水溶性サポートや、手で軽く折り取れるスナップアウェイサポートを使えば、従来のようにニッパーやヤスリで削り取る手間が減り、表面を美しく仕上げられます。サポート材とメインの造形材が混ざりにくいため、サポート除去後の跡が目立ちにくく、高精細モデルや細かなディテールのパーツをプリントする際にも大きな効果を発揮します。
結果として後処理の時間や労力を削減し、よりクリエイティブな部分に力を注ぐことができるようになるでしょう。
高品質エクストルーダーと最新技術が融合したパフォーマンス
続いて、Creality Hi Comboならではのエクストルーダー周りの設計や、最高500mm/sの高速プリント、ソフトウェアサポートなど、ハイパフォーマンスを支えるテクノロジーを3つの側面から解説します。
金属製一体型エクストルーダーとスマートノズル
Creality Hi Comboには、メタルギアを用いたダイレクトドライブ型のエクストルーダーが搭載されており、摩耗に強く長寿命を実現しています。
さらに、ノズルはハイエンドなトライメタル構造を採用し、チタン合金と銅合金、そして先端に硬化スチールを組み合わせた設計により、目詰まりを起こしにくく、高温にも耐えられる仕組みです。300℃までの高温に対応できるため、PLAやPETG、ABSなどの一般的なフィラメントだけでなく、PLA-CFなどの複合材料も扱いやすいのが特徴。
また、ランアウトセンサーを搭載しているため、フィラメントが尽きた際のトラブルを最小限に抑え、連携するCFSと合わせて多色・多材料をストレスなく切り替えられます。
最高500mm/sの高速プリントと強力な振動補正
Creality Hi Comboは、最大500mm/sというハイスピードでの造形を可能にしつつ、12000mm/s²までの高い加速度にも対応します。
高速化を支えるのが、アクティブインプットシェーピングと呼ばれる独自のアルゴリズムです。これは動作中に生じる振動の振幅をリアルタイムで分析し、その振動を打ち消す信号を生成することで、スピードを上げても造形面の乱れやリンギングを抑えます。
実際のプリントでは300mm/sあたりが安定品質と高速性のバランスが良いとされていますが、試作品作成や大量生産では上限速度を活かして大幅な時間短縮も可能に。リニアレールやリニアロッドなどの剛性に優れたメカニカル構造と組み合わせることで、スピードと精度の両立を見事に実現しているのが特徴です。
アップデートされたソフトウェアと多彩な機能
Creality Hi Comboのもう1つの強みは、ソフトウェア面の充実です。
最新の「Creality OS」は、RFIDや多色フィラメントを管理する機能を標準で備え、エキスパートモードやルートアクセスなど、上級者向けの細かなチューニングも可能にしています。また、Fluidd WebUIへの対応により、ブラウザからの操作やモニタリングも容易です。
さらに、今までより直感的に多色スライスを設定できる「Creality Print 5.1」以降のバージョンでは、カラーペイントやフィラメント切り替え設定が分かりやすく実装されており、造形失敗を低減しながら色鮮やかなプリントを楽しめます。
加えて、カメラの標準搭載により、リモートモニタリングやタイムラプス動画の作成が可能で、コミュニティへの共有も盛り上がること間違いなし。
こうしたハードとソフトの両面での最適化が、Creality Hi Comboの総合的なユーザー体験をより豊かにしています。
ユーザーフレンドリーな操作性と設計
最後に、Creality Hi Comboがもつ高度な自動化機能やユーザーフレンドリーな設計に触れておきます。
ここでは、オートレベリングや簡単なフィラメントロード、そして静音設計など、初心者でも安心して使えるポイントを3つに分けて解説します。
自動フィラメント読み取り&オートレベリングでストレスフリー
Creality Hi Comboの操作性を支えるのが、プリンター自体に備わっているさまざまな自動化機能です。
まずは「自動フィラメント読み取り」により、フィラメントを挿入するだけでプリンターがカラーや素材を認識し、最適な設定に調整してくれます。
さらに、オートベッドレベリング機能を搭載しているため、ビギナーにありがちな初期設定の失敗を大幅に減らせるのも魅力です。
X軸の傾きも正確に補正し、ベッド全面を自動で測定して高さを調整してくれるので、均一で美しい第一層を安定して実現。
これらの自動化により、プリント開始前の面倒な工程がスキップされ、初心者から経験者まで誰もがストレスなく3Dプリントに集中できるのです。
95%組み立て済み&クイックスタートで誰でもすぐ使える
Creality Hi Comboは、到着した状態で95%ほど組み立てが完了しているため、ユーザーはわずか数本のネジ締めと配線を行うだけで初期セットアップを済ませられます。
操作ガイドも分かりやすく整理されており、電源を入れてすぐに起動ガイドに沿って初期キャリブレーションを行うだけで、実際のプリントを開始できます。
また、本体には手軽に折りたためる3.2インチのタッチスクリーンが搭載されており、必要な操作を直感的に行える点も魅力的。大きなパネルが邪魔になることなく、省スペースで設置可能なうえ、軽快なUIによって設定やステータス確認も容易です。
初心者にとって最初のハードルになりがちな組み立てと操作を極力シンプルにした設計は、実用性を重視するユーザーにも高く評価されるでしょう。
静音設計で快適なプリント環境を実現
3Dプリンターの動作音は、長時間稼働させる場合には大きな課題となりますが、Creality Hi Comboはファンの動作音やステッピングモーター音が大幅に抑えられており、運転時の騒音レベルは48dB以下(テスト値)とされています。
さらに、X軸にはリニアレール、Y軸にはリニアロッドを採用し、スムーズな動きと振動抑制を両立。ステップサーボモーターのFOC(Field Oriented Control)アルゴリズムによりステップロスやレイヤーシフトを防ぎ、ノイズの低減だけでなく精度の向上にも貢献しています。
自宅やオフィスなど、人の多い環境でも気にせず連続稼働しやすいのは大きな魅力と言えるでしょう。
Creality Hi Comboのスペック一覧
Creality Hi Comboの特徴について理解できたところで、3Dプリントにおいて特に注目すべき、主要なスペックを確認しておきましょう。
比較のため、競合となる他社製3DプリンターからBambu Lab「A1 Combo」とAnycubic「Kobra 3 Combo」のスペックを並べて見ていきます。
モデル名 | Hi Combo | A1 | Kobra 3 |
---|---|---|---|
本体イメージ | |||
メーカー | Creality | Bambu Lab | Anycubic |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 409 x 392 x 477 | 385 x 410 x 430 | 452.9 x 504.7 x 483 |
本体重量[kg] | 19.14 | 8.3 | 9.2 |
構造 | ベッドスリンガー | ベッドスリンガー | ベッドスリンガー |
密閉 | × | × | × |
ヒートチャンバー | × | × | × |
組み立て | - | 半組み立て済 | 半組み立て済 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 260 x 260 x 300 | 256 x 256 x 256 | 250 x 250 x 260 |
最大スピード[mm/s] | 500 | 500 | 600 |
推奨スピード[mm/s] | 300 | - | 300 |
最大加速度[mm/s²] | 12000 | 10000 | 20000 |
最大押出流量[mm³/s] | - | 28 | - |
最大ノズル温度[℃] | 300 | 300 | 300 |
最大ヒートベッド温度[℃] | 100 | 100 | 110 |
対応フィラメント | Hyper-PLA/PLA/PETG/ABS/PLA-CF | PLA, PETG, TPU, PVA | PLA, PETG, TPU |
マルチカラー | CFS 1台で4色 最大16色 | AMS lite 1台で4色 最大4色 | ACE Pro 1台で4色 最大8色 |
消費電力[W] | 390 | 350 | - |
ディスプレイ | タッチ式 | タッチ式 | タッチ式 |
Wi-Fi | ○ | ○ | ○ |
内部ストレージ[GB] | 8 | × | ○ |
カメラ/リモートモニタリング | ○ | ○ | × |
スライスソフト | Creality Print | Bambu Studio (PrusaSlicer) (Cura) (Superslicer) | AnycubicSlicer Cura |
その他 | |||
出典 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
上記3機種は、どれも
といった基本性能で共通しているものの、細かく見ていくと微妙な違いがあることがわかるでしょう。
とくに、「Hi Combo」は
という他2機種にない特徴を備えています。
その他にも、カメラ機能や内部ストレージの有無にも違いがあるため、導入前には自分の重視するスペックを中心に、比較表をじっくり確認しておくと良いでしょう。
Creality Hi Comboの価格・販売情報
Hi Comboは、すでにAmazonやCreality Storeで製品ページが公開されています。
発送自体は開始されておらず、2月下旬から3月上旬あたりに本格的に販売開始となりそうです。
まとめ
Creality Hi Comboは、最大16色の多色プリントをはじめ、スマートなRFIDフィラメント管理や95%組み立て済みのユーザーフレンドリー設計、最高500mm/sの高速造形など、最新テクノロジーを凝縮した注目の3Dプリンターです。
オートレベリングや振動補正など、作品クオリティを向上させる機能も充実しており、初心者から上級者まで幅広いユーザーにおすすめできるでしょう。
もし多色3Dプリントの世界に挑戦してみたい、あるいはスピードとクオリティを両立させたいと考えているなら、この「Creality Hi Combo」を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。