こんにちは、管理人のウノケンです。
今回は、
Entinaの家庭用FDM方式3Dプリンター「Tina2S」について徹底解説&実機レビュー
していきます。
「Tina2S」は、2万円台前半で購入できる激安3Dプリンター。3Dプリンター初心者でも手に取りやすい、圧倒的なコスパが魅力です。
とはいえ、
「格安機種がちゃんと使えるのか、ちょっと不安。。。」
という方も、少なくないでしょう。
そこで、「Age of 3DP」の方で実際に購入し、その実力を徹底調査!
について、徹底解説していきたいと思います!
それでは見ていきましょう!
動画でレビューをチェックしたい方はこちら!
この記事の内容はYouTubeでも動画で解説しています。開封の様子など、動画ならではの内容も盛りだくさんの解説をお楽しみください!
Entina (WEEFUN)「Tina2S」の特徴
まずはじめに「Tina2S」の主な特徴をざっと把握しておきましょう。
ユニークな機種であるだけに、注目すべき特徴も多い「Tina2S」。順に詳しく確認していきましょう。
「特徴はいいから、はやく実機レビューが見たい!」
という方は該当箇所までジャンプしてください。
約2万円で買える激安3Dプリンター
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「Tina2S」は、
約2万円で買える激安の3Dプリンター
です。
「Tina2S」は、日本のAmazonにおいて、
の2社から購入可能(2024年5月時点)。
購入タイミングにもよりますが、オレンジ色のWEEFUNが販売する製品が若干安く、約2.2万円で販売されています。
組み立て不要ですぐにプリント可能
「Tina2S」は、
組み立て不要で、箱から取り出したらすぐにプリント可能
です。
配送時点の重量も5kgと非常に軽く、
「ダンボールを作業場所まで運ぶのが大変。。。」
といった不便さも一切ありません。
ちなみに、本体重量はたったの3kg。片手でも軽々持ち上げられるので、力持ちでない方であっても問題なく扱えるでしょう。
標準サイズをはるかに下回るコンパクトさ
「Tina2S」の大きな魅力は、
家庭に起きやすい圧倒的なコンパクトさ
です。
上の画像を見るとわかるように、比較的コンパクトなサイズの「Ender-3 V3(右側)」と比べても、その差は歴然。
「3Dプリンターが気になっているけど、家に置く場所がない。。。」
と躊躇している方にとっては、大注目の1台です。
家庭用にピッタリ!「Tina2S」の実機レビュー!
特徴を把握できたところで、いよいよ
「Tina2S」の実機レビュー
を行っていきます。
超コンパクトな本体の外観チェック!
すでに記載した通り、「Tina2S」には組み立て作業がほとんどありません。
開封して梱包材やビニール袋を取り外したら、上の画像のようなかわいらしい本体が姿を現します。
組み立て不要の「Tina2S」は、ダンボールのフタに手をかけてから、
することが可能です。
さらに、同梱のmicroSDにはスライス済み(=すぐにプリント可能)のデータが多数格納されています。このデータを使って、さっそく3Dプリントの様子を見ていきましょう!
【激遅】1時間48分で3DBenchy
まずは、恒例の#3DBenchyをプリントしていきます。
「Tina2S」にはテスト用にフィラメント(PLA/ホワイト)が100g付属。他社の3Dプリンターに比べて量が多く、別途フィラメントを購入せずともテストプリントを複数回実行することが可能です。
プリンターのローカルに保存されているデータによれば、なんと1時間48分で完成とのこと。昨今の爆速3Dプリンターは十数分で完成するものが多いですが、さすがは格安3Dプリンター。「Tina2S」の推奨プリントスピードは60mm/sで、数年前(2021年以前)のスタンダードレベルと同等だということは頭に入れておきましょう。
そんな「Tina2S」が、実際にプリントしているときの様子(音声あり/倍速なし)をご覧いただきましょう!
「と、止まって見えるぜ。。。!」
最大600mm/sの爆速3Dプリンターを何台も扱ってきた筆者。どうやら感覚がマヒしてきていたのかもしれません(たった数年前まではこれくらいの速度が一般的でした)。
さて、プリント品質はどうでしょうか?
船体に数多く見られる積層痕や、船室の枠付近には少々飛び出たフィラメントが目立ちます。また、枠の上側、オーバーハング部分の垂れ下がりも気になるところ。
このように、全体的にプリント品質は決して高くありません。近年は、4〜5万円という低価格帯の3Dプリンターでもはるかに高いクオリティの3DBenchyを十数分でプリントすることができます。
「Tina2S」の導入を考える場合には、プリント品質には目をつむる必要があるということは心得ておきましょう。
【楽しい】スライス済のテストモデルをいろいろプリント!
気を取り直して、「Tina2S」のテストモデルのプリントを続けていきます。
「Tina2S」には、豊富なスライス済モデルが10種類もあらかじめ用意されています。
その中から、クネクネとした動きが面白い「Flexi」系の2モデルをプリントしてみました。
3Dプリントなのに、組み立てさえ不要な動くおもちゃが作れてしまいます。
このような「おもちゃ」系のプリントにおいては、
は必要ありません。コンパクトな「Tina2S」が活躍しやすいジャンルだと言えるでしょう。
【実践】格安なのに「スマホアプリ」からプリントできる!
続いて、「スマホアプリ」を使って、「Tina2S」からのプリントを実行していきます。
格安の2万円3Dプリンターであるにもかかわらず、Wi-Fi対応で
との連携が可能な「Tina2S」。これは良い意味でちょっと驚きです。
さっそく、専用スマホアプリ「PoloPrint Cloud」をダウンロードし、無料でダウンロードできる3Dデータから、「Puppy(子犬)」をスライスし、3Dプリンターへ送信・3Dプリントしてみました。
シルクPLAを使うことで、かわいらしい子犬のフィギュアが完成。
子どもと一緒に作ったり、家族にプレゼントしてあげても喜ばれそうですね!
ここまで、「Tina2S」を使ったいくつかのプリント例を見てきました。
ここからは、
というポイントについて深掘りしていきたいと思います!
使ってみてわかった!「Tina2S」のココがすごい!
ここからは、
実際に使ってみて感じた「Tina2S」のスゴいところ
について紹介していきたいと思います。商品ページに記載の内容だけではわかりにくい「実感」をお伝えしていきます!
超静か!図書館並の静かなプリントが可能!
「Tina2S」は、安くてコンパクトなだけではありません。
プリント中の騒音がほとんどなく、超静か
です。
上の画像のように、プリント中の騒音値は40dB台前半。これは、図書館と同等の静かな環境とされています(参考ページ)。
プリントスピードが遅いことや、前後以外の面が覆われた半密閉タイプであることが、その静けさの要因でしょう。
これまた家庭に置きやすいポイントのひとつとして、「Tina2S」の魅力のひとつだと言えるでしょう。
格安なのにLED搭載!暗いところでも問題ナシ
格安機種の「Tina2S」を実際に使ってみて驚いたのが、
本体内部を明るくするLEDが標準搭載
されていることです。
「K1C」のような、家庭用としては高級に位置づけられる機種への搭載は多いものの、4〜5万円台の機種ですら搭載されていることは多くありません。
2万円台でありながら、作業性を向上してくれるLEDを搭載しているのは、「Tina2S」の明確な利点のひとつでしょう。
日本語のUI・マニュアルが充実!
「Tina2S」は、
日本語表記が充実している
点も安心です。
手順は多くないものの、初期設定やアプリ連携の手順を日本語でわかりやすく説明してくれるので、3Dプリンター初心者の方であっても戸惑うことなく装置の扱いに慣れることが可能です。
使ってみてわかった!「Tina2S」のココに注意!
最後に、
実際に使ってみて、個人的に気になった点
についても紹介していきます。人によって好みも異なりますので、選択する際の参考にしてみてください。
大きいモノはプリントできない(最大約10cmの立方体)
本体サイズがコンパクトな「Tina2S」。
もちろんプリントできるモノのサイズにも大きな制限があります。
上の画像は、ほぼ最大サイズ(100×100×100mm³)でプリントした立方体。ほぼ手のひらサイズだということがわかるでしょう。
ここまで見てきたように、フィギュアのような小物のプリントには問題ありませんが、日用品をプリントしたいという用途では、造形サイズの制限が気になる場合もあるでしょう。
対応フィラメントの種類が少ない(基本PLAのみ)
格安の「Tina2S」には、標準的な3Dプリンターにおける「当たり前」に対応していない部分も見られます。
対応するフィラメントが非常に限られている点もそのひとつ。
マニュアルによれば、
とのこと。
後に記載するスペック表に見られるように、ノズルやヒートベッドの最大温度が低く、よく使われる「PETG」や「ABS」といった材料には対応していません。
また、対応するとされる「TPU」との相性もよくありません。「Tina2S」のエクストルーダーは「ボーデン式」と呼ばれる旧式であり、やわらかいTPUをうまく押し出すことができない場合があります(筆者実践済み)。
「Tina2S」は、基本的に「PLA専用3Dプリンター」だと捉えるべきでしょう。
ノブ式スクリーンが扱いにくい(タッチ不可)
最後に、スクリーンの仕様も旧式である点に触れておかねばなりません。
3〜4万円台の低価格帯3Dプリンターであっても、カラーのタッチスクリーンが当たり前となっていますが、「Tina2S」は
です。スマホをはじめ、カラーのタッチスクリーンが当たり前の現代において、この仕様には不満を覚える方が少なくないでしょう。
デジタルネイティブな子ども世代と一緒に使う際にも、注意したいポイントです。
ここまで挙げてきたポイントは、人によっては気になるところかもしれません。他の3Dプリンターもチェックしておきたい!という方は、比較ツール等を活用して他の機種の情報も確認しておきましょう。
「ここに記した気になるポイントは問題ないよ!」
という方にとっては、非常におすすめできる3Dプリンターなのではないかと思います!
「Tina2S」のスペック一覧!【Tina2 Basicと比較】
最後に、
「Tina2S」のスペックを確認しつつ、下位互換機種「Tina2 Basic」と比較
していきます。
モデル名 | Tina2S | Tina2 (basic) |
---|---|---|
本体イメージ | ||
メーカー | Entina | Entina |
本体サイズ(LxWxH)[mm] | 210 x 210 x 290 | 210 x 210 x 290 |
造形サイズ(LxWxH)[mm] | 100 x 105 x 100 | 100 x 120 x 100 |
エクストルーダ | ボーデン | ボーデン |
プリントスピード[mm/s] | 200 | - |
最大ノズル温度[℃] | 245 | - |
最大ヒートベッド温度[℃] | 60 | - |
組み立て | 組み立て済み | 組み立て済み |
プラットフォーム | PEIばね鋼 | フレキシブル磁気プレート |
オートレベリング | ○ | ○ |
フィラメントセンサ | - | - |
停電時自動回復印刷 | ○ | ○ |
密閉 | 半密閉 | 半密閉 |
ディスプレイ | ノブ式 | ノブ式 |
デュアルZ軸 | ○ | ○ |
データ入力 | USBケーブル SDカード Wi-Fi | SDカード |
本体重量[kg] | 3 | 3 |
スライスソフト | Cura Simplify3d Slicr3d Wiibuilder | Cura Simplify3d Slicr3d Wiibuilder |
その他 | 半密閉型 LED搭載 アプリリモート制御機能 | 半密閉型 |
出典 | 公式サイト | 公式サイト |
まとめ:激安&コンパクト!初心者に最適の「Tina2S」!
今回は、約2万円の激安3Dプリンター「Tina2S」の実態を探るべく、徹底レビューしてきました。
といった特徴のある3Dプリンターであることがわかりましたね!
価格や置き場所、騒音といった点で導入を迷っていた方でも安心して使用できる「Tina2S」。ぜひ以下のAmazonページもチェックしてみてください!
動画でレビューをチェックしたい方はこちら!
この記事の内容はYouTubeでも動画で解説しています。開封の様子など、動画ならではの内容も盛りだくさんの解説をお楽しみください!